風ラジヲ スペシャルch.
相模の風レコードお薦めのすてきなアーティストをピックアップ、
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坪内佐智世
http://www.girigiri.org/
本日は坪内佐智世の「廊下」の歌詞を紹介します。
廊下 作詞・作曲/坪内 佐智世
あたしのばあちゃんは 夏に生まれて
生きて生きて ひとりで生きて生きて 夏に死んだのよ
夜中過ぎのベッドで ひとりで 夏に帰って行ったのよ
あたしはばあちゃんのミシンを台にして 座って
青い花瓶の絵も おにんぎょうさんの足の描きかたも
ばあちゃんに誉めてもらった
いくつもいくつも描いては そのたび 何度も何度も誉めてもらった
過ぎてゆく 時間は何を引き換えにして
鮮やかな場面の色を 奪ってゆくのか
長い、暗い、古い廊下を ばあちゃんは
鈴をつけた鍵を握って 走って帰る つきあたりのひとりの部屋に
あたしも わからず走る あの長い、暗い、古い、斜めの記憶
ほんとは ばあちゃんは あたしの親の親じゃないけれど
生理になったときも ばあちゃんだけ なんにも騒ぎ立てずに
にこっとしただけでいてくれて ほっとした やっと居場所ができたようで
過ぎてゆく 時間は何を引き換えにして
大切なひとまで すべて奪ってゆくのか
額を 畳につけて 声をあげて泣くばあちゃんの
お尻が丸くて 丸くて 丸くて
とても大きくて 丸くて とても大きくて 丸くて
あたしの歳の頃には もう ひとりきりだったばあちゃんは
いったい何を支えに 生きがいに お客相手に洋服を縫って 縫って
夏に帰っていったばあちゃんの顔 見に来たひとはとても少なかった
けれど お客相手に洋服を縫って 縫って 縫って 縫って
長い時を ひとり くぐってきたばあちゃんの
涙をなぞるように あたしもひとりでいるけれど
それはべつに たいしたことではなくて
ダンナが死んだわけでもない
子供と引き離されたわけでもない
ただ あの時ばあちゃんは
何を あんなに あそこまで 声をあげて 泣いていたのか
あの長い、暗い、古い 廊下の つきあたりの ひとりの 部屋で
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